こんにちは。
私たちの周りを元気に飛び回っている鳥たち。
彼らがどうやって自分の巣の場所をちゃんと覚えているのか、
そして、渡り鳥はどうして遠い道のりでも迷子にならずに目的地に着けるのか、
不思議に思ったことはありませんか。
これらの疑問は、昔からたくさんの人々の心をとらえてきました。
この記事では、鳥たちが持っていると言われる、
すごい記憶力や方向感覚の秘密について、
今わかっている科学的なお話も交えながら一緒に見ていきましょう。
小さな頭脳に隠された大きな記憶力 鳥はどうやって自分の巣を覚えるの
鳥たちが自分の巣を正確に覚えていることは、
彼らが生きる上でとても大切です。
特に子育て中の親鳥にとっては、
ごはんを探しに出かけた後、迷わずに巣に戻ることが、
ヒナさんたちの命を守ることにつながりますからね。
では、鳥たちはどんな目印を使って、
巣の場所を記憶しているのでしょうか。
鳥の目印は景色?巣の周りの特徴を記憶する力
一般的に鳥たちは、
目から入る情報を上手に使っていると考えられています。
巣の周りにある、ちょっと変わった形の木や岩、
あるいは人間が作った建物などを
「あ、あの木だ!」という感じで目印として覚えるんですね。
それらを頼りにして、
自分の巣がどこにあるのかを把握しているようです。
私たちが地図を見て目的地を探すように、
鳥たちも周りの景色を自分だけの地図みたいに使っていると想像すると、
分かりやすいかもしれませんね。
鳥たちが巣の場所を覚える際には、
この視覚的な手がかりが大きな役割を果たしていると考えられます。
匂いも手がかりに?鳥の嗅覚と巣の特定
さらに、一部の鳥においては、
匂いも巣を見つけるのに役立っているかもしれないというお話もあります。
巣を作る材料の匂いや、
巣の周りにただよう独特な匂いを覚えておくことで、
目で見ただけでは分かりにくい時でも、
巣を見つけ出す助けになっているのかもしれません。
しかし、
匂いの役割については、
鳥の種類や住んでいる場所によって違うとも言われていて、
まだ研究が進められているところも多いようです。
鳥が巣を覚える上で、
嗅覚がどれほど重要なのかは、
今後の研究で明らかになることが期待されます。
驚きの記憶力!鳥の空間認識能力
また、鳥たちは、
空間を認識する能力や記憶する力がとても優れていることが、
いろいろな研究から分かってきています。
例えば、
食べ物を隠して蓄える習性のあるカケスという鳥は、
なんと数百から数千もの場所に隠したごはんを、
後からちゃんと探し出すことができるんですって。
このびっくりするような記憶力は、
巣の場所を覚える時にも同じように発揮されていると考えられます。
鳥たちは、
巣とその周りの環境の情報を細かく覚えていて、
それを基にして正確に巣に戻る行動をとっているのですね。
この優れた記憶力が、
鳥が自分の巣を忘れない大きな理由の一つと言えるでしょう。
大空の旅人 渡り鳥はなぜ道に迷わずに長距離を移動できるの
季節が変わる頃になると、たくさんの渡り鳥たちが、
子育てをする場所と冬を越す場所の間を長ーい距離を移動します。
その距離は、時には数千キロメートルにもなることがあって、
海を渡ったり、山を越えたりと、とっても大変な旅なんです。
これほど長い旅の途中で、
渡り鳥たちは一体どうやって正しい方角を知って、
目的地にたどり着くのでしょうか。
渡り鳥が道に迷わない仕組みは、一つだけではなく、
いくつかの感覚を組み合わせて使っていると考えられています。
その中でも、特に大事な役割を果たしていると言われているのが、
「太陽コンパス」「星コンパス」「地磁気コンパス」と呼ばれる能力です。
太陽コンパス 空の道しるべ、お日様の力を借りる鳥
お昼間に渡りをする鳥たちは、
太陽の位置を目印にして方角を判断する
「太陽コンパス」という能力を使っていると考えられています。
太陽は時間とともに空を動いていきますが、
鳥たちは体の中にある時計(体内時計と言います)と、
太陽の位置の情報を組み合わせることで、
いつも正確な方角を把握できるようなんです。
例えば、
朝の太陽が東にあることを基準にして行きたい方向を決めます。
時間が経って太陽が南や西に動いても、
体内時計で時間を調整しながら、
飛んでいく方向を保つことができるんですね。
この能力は、
私たち人間が時計と太陽の位置から方角を知るのと少し似ていますが、
鳥たちはもっと精密にそれを行えるようです。
渡り鳥が迷わないための、
太陽を使ったナビゲーションはとても興味深いですね。
星コンパス 夜空の星々が教えてくれる鳥の進む道
夜に渡りをする鳥たちは、
星の位置関係を頼りにして方角を知る
「星コンパス」という能力を使っていることが知られています。
特に、北極星のように空のほとんど同じ場所で輝いている星は、
正確な北を示す大切な目印になります。
鳥たちは、
星座の形や星の明るさなんかを覚えていて、
それらを夜空の地図みたいに使っていると考えられています。
プラネタリウムという施設を使った実験からも、
鳥たちが星の並び方を認識して、
それをもとにして方向を決めていることが示されているんですよ。
渡り鳥が夜空の星を見て道を知るなんて、
なんだかロマンチックですね。
地磁気コンパス 目には見えない地球の力を感じる鳥
鳥たちは、地球が持っている磁石のような力、
つまり地磁気を感じ取って、
それをコンパスのように使う能力も持っていると考えられています。
地磁気は地球上のどこにでもあって、
天気にも左右されないので、
特に景色が見えにくい時や、
太陽や星が見えない時でも頼りになる道案内の手段となります。
鳥たちがどうやって地磁気を感じているのか、
その詳しい仕組みについては、まだ全部は分かっていません。
しかし、
目の中にある特別なタンパク質が関係しているかもしれないとか、
耳の奥にある磁石のような小さな粒が関係しているかもしれない、
といった可能性が考えられています。
この地磁気コンパスは、
渡り鳥が迷わないための重要な能力の一つと言えるでしょう。
経験と学習も大切 鳥のナビゲーション能力は進化する
これらの生まれ持ったナビゲーション能力に加えて、
渡り鳥たちは経験を積むことで、
もっと上手に、もっと正確に渡りができるようになると考えられています。
若い鳥は、初めての渡りでは、
親鳥や経験豊富な鳥と一緒に行動することで、
渡りのルートや途中で休む場所、そして目的地の情報を学ぶようです。
また、過去の渡りの経験から、
天気の変化にどう対応するかとか、
もっと楽に飛べるルートを見つけ出す能力も上がっていくと考えられます。
さらに、渡り鳥たちは、
地形や風向きといった情報も、
道案内に利用している可能性が指摘されています。
例えば、
特定の山脈や海岸線を目印にしたり、
追い風を利用して飛ぶエネルギーを節約したりする行動が見られることがあります。
これらの情報は、
生まれ持った能力だけではく、
経験を通じて学習される部分が大きいと考えられています。
鳥たちが学習しながら渡りの技術を磨いていく様子は、
彼らの賢さを感じさせますね。
まとめ 鳥たちのすごい適応能力とこれからの期待
鳥たちが自分の巣をちゃんと覚えていたり、
渡り鳥があんなに長い距離を迷わずに移動できたりするのは、
彼らが持っているいろいろな感覚の情報と、
それを上手に処理する優れた脳の働き、
そして経験から学ぶ力のおかげだと言えるでしょうね。
目で見た情報、匂い、太陽コンパス、星コンパス、地磁気コンパスといった複数の情報を巧みに使い分けて、時にはそれらを組み合わせることで、鳥たちは複雑な状況でも的確な判断をして、目的地にたどり着くのです。
これらの能力は、
鳥たちが地球上のさまざまな環境に合わせて生きていくために、
長い時間をかけて進化させてきた、本当に驚くべき能力と言えます。
私たちの身近にいる鳥たちの行動の裏には、
こんなに高度で洗練された仕組みが隠されていることを知ると、
鳥たちへの見方も、もっと深まるのではないでしょうか。
これからの研究によって、
鳥たちのナビゲーションや記憶に関する謎が、
さらに解き明かされていくことが期待されますね。
『公的機関・研究機関』
・いきものログ:
全国のいきもの(動植物)の観察情報を収集・提供するデータベースです。
鳥類の観察記録も多数登録されており、分布状況などを確認できます。
https://ikilog.biodic.go.jp/
・生物多様性センター:
生物多様性の保全に関する様々な情報を提供しています。
渡り鳥を含む野生生物の調査研究に関する情報も見つかることがあります。
https://www.biodic.go.jp/
・野生動物研究領域:
鳥類を含む野生動物の研究に関する情報を発信しています。
https://www.ffpri.affrc.go.jp/research/dept/wildlife-mgt/index.html
・日本の鳥百科:
様々な鳥の生態や特徴を解説しています。
https://www.birdfan.net/pg/izukan/
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